リネームツール「Reg-Ren」
Ver.1.30
Reg-Ren(Regalar-Expression Renamer)は、正規表現を使ってファイル名を一括変換するツールです。
正規表現はUNIXを使っている人にはお馴染みですが、そうでない人にはちょっと敷居が高いかもしれません。
Reg-Renでは、プリセットという形でよく使うと思われるパターンをあらかじめ登録してあるので、正規表現に馴染みの無い人でも使えます。
正規表現に加えて独自の拡張表現を使う事で、柔軟なリネームをおこなう事が可能です(下の例参照)。
バージョン1.30から、クリップボードにコピーされた文字列に対して置換をおこなう機能を追加しました。
本来の目的から逸脱してるような気もしますが、せっかくなので。
インストール
適当にフォルダを作ってアーカイブファイルを解凍してください。
アンインストールはフォルダごと削除してください。
システムの「SendTo」フォルダにショートカットを作っておくと便利です。
使い方
- 単に1個だけ名前を変えたい場合は、ファイルを選択した時に表示される下のエディットボックスを編集し、エンターキーを押してください。
- 上のエディットボックスに検索パターン、下に置換パターンを書きます。
- 正規表現をよく知らない方は「>>」ボタンを押して、自分のやりたい事に近そうなプリセットを選択し、適当に編集してください。プリセットは右クリックで出て来るメニューからも選択できます。
- 「Do!」ボタンを押します。
- 確認ウィンドウが表示されます。Statusに「Replace」と書いてあるものがリネームされます。
- 「Rename」ボタンを押します。結果が「Result」欄に表示されます。"Ok"なら正しくリネームされました。
- 右クリックのメニューから「Register Preset」を選択すると、現在のパターンをプリセットとして登録できます。分かり易いコメントを記述してください。
- 連番は、置換文字列に"\"で指定します(下記参照)。
- 連番の開始番号、増分は「Start」「Step」で指定します。「Contenious No.」にチェックを入れると、最後に使用した数値の次の値が自動的に「Start」にセットされます。
- リストをダブルクリックすると、そのファイルをデフォルトのアプリケーションで実行します(エクスプローラと同じ動作です)。
ログウィンドウの使い方
- 右クリックのメニューで「Show LogWindow」を選択すると、ログウィンドウが表示されます。
- 「Save」ボタンを押すと、ログをCSVファイルにして保存できます。
(セーブしたCSVファイルをPickPix2に読み込ませて、データベースを更新出来ます)。
- リストを選択して「Remove」を押すと、リストからその項目を削除します。
- 同じく「Undo」を押すと、選択された名前を元に戻します。
クリップボード監視ウィンドウの使い方
- 右クリックのメニューで「Clipboard Watcher...」を選択すると、クリップボード監視ウィンドウが表示されます。
- 上の2つのテキストボックスはメインウィンドウと同じです。
- マッチ、置換はクリップボードに変更が加えられた時に自動的におこなわれますが、「Retry」ボタンを押して強制的におこなう事もできます。
- 下のテキストボックスは、それぞれ置換前のクリップボードの内容、置換後の内容です。
- 置換後の内容が「---」の場合はマッチしなかった、「===」の場合は変換後の文字列が変換前と同じである事を示しています。
- URLラジオボタンは、非英数字のURL形式のエンコード、デコードをおこないます。例えば、「Reg-Ren」をエンコードすると「Reg%2DRen」になります。
- URLのエンコード/デコードは、正規表現の置換の後でおこないます。
RegReダウンロード(Download,398K)
正規表現の例
検索パターン |
置換パターン |
元のファイル名 |
置換後のファイル名 |
説明 |
\[[0-9]+\] |
(空白) |
abc[1].jpg |
abc.jpg |
[数字]を削除 |
def.jpg |
← |
a[11]bc.jpg |
abc.jpg |
\s |
- |
brown fox.jpg |
brown-fox.jpg |
空白を'-'に変換 |
02 01 01.jpg |
02-01-01.jpg |
^(\D*)(\d{1})(\D*)$ |
\10\2\3 |
a1.jpg |
a01.jpg |
1桁の数字の直前に'0'を入れる |
a10.jpg |
← |
1.jpg |
01.jpg |
([^0-9]*)([0-9]+)$ |
\10\2 |
a1.jpg |
a01.jpg |
数字の直前に'0'を入れる |
a10.jpg |
a010.jpg |
1.jpg |
01.jpg |
([0-9]{3})[0-9]+([0-9]{3}) |
\1\2 |
123456789.jpg |
123789.jpg |
6桁より大きい数字があった場合、最初と最後の3つだけを抽出する |
123456.jpg |
← |
abcdefghi.jpg |
← |
foo |
bir |
foo.txt |
bir.txt |
"foo"を"bir"に変更 |
food.bmp |
bird.bmp |
ヒント
プリセットは「pattern.cfg」というファイルに記述されています。
自分で編集する事ができますが、追加、削除する場合は必ず3行(コメント、検索文字、置換文字)を1つの単位としておこなってください。
できない事、注意
- 拡張子の変更はできません。トラブルの元なので。専用ソフトをお使いください。
- システム属性、リードオンリー属性、隠し属性の付いたファイルはリストに表示されません。
- ファイルサイズが0のファイルも表示されません。当然、フォルダも表示されません。
- 置換後にファイル名として使用できない文字を指定した場合、期待と異なる結果が得られる場合があります。これは、Reg-Renが内部的に使用している文字と競合するためです。簡単に言うと、変な文字を指定すると変な結果になっても知らないよ、という事です。
- 正規表現は全角文字に対応していないので、全角文字を含むファイル名の処理では誤動作をする可能性があります。
- 検索文字列、置換文字列の履歴の個数に制限はありませんが、保存されるのは20個までです。
著作権その他
- 本ソフトウェアはフリーウェアです。以下の条件に同意頂ければご自由にお使いになれます。
- アーカイブの配布は自由ですが、ソフトウェアの代金を受け取ってはいけません。代金を払いたいという奇特な方を見つけたら私に払うように伝えて下さい。
- プログラムの著作権はMag.(mag@cup.com)が保有します。
- アイコンの著作権は「くすりばこ」さんが保有します。
- 作者はプログラムの完全な動作を保証する物ではありません。また、プログラムを使用した結果生じるいかなる損害についても責任を負いません。
- プログラムは Norton Anti Virus の最新ウィルス定義ファイルによるウィルスチェック済みです。
- WWW、FTP、BBS、雑誌および付録CD−ROM等に転載される場合はできるだけ連絡して頂くようお願いします。
- 本ソフトウェアは(有)コムウェアさん作成のTFolderViewコンポーネントを使用しています。
履歴
- 01/10/2002 1.00
公開!
- 02/22/2002 1.10
ログウィンドウを追加した。
- 04/03/2002 1.11
置換文字に"\f"(フォルダ名)を追加した。
- 08/03/2002 1.12
起動パラメータとしてファイル名かフォルダ名を渡せるようにした。
- 08/04/2002 1.12a
上記の方法で起動した場合にプリセットが開かない不具合を修正した。
- 08/30/2002 1.20
画面表示を改善した。
- 12/5/2002 1.21
検索文字列と置換文字列にポップアップメニューを追加した。
同じく履歴の編集ができるようにした。
最新の履歴を先頭に持って来るようにした(ほとんどバグです)。
- 5/30/2003 1.30
クリップボードを監視して置換をおこなう機能を追加した。
付録:正規表現について
Reg-Renでは,Perl 5 とほぼ同じ構文を使用します。
現在の実装は,Perl 5.005 に対応しています。
そのうち、よく使用すると思われるものを以下に示します。
なお、Reg-Renではデフォルトでは大文字、小文字を区別しません。
メタ文字
^ 対象の先頭
$ 対象の末尾
. 改行文字を除くすべての文字
[ 文字クラスの定義を開始する
] 文字クラスを終了する
| 選択部の先頭
( サブパターンを開始する
(? サブパターンにカウントされないグルーピングを開始する
) サブパターンを終了する
? 0 と 1の限量子
* 0 個以上の限量子
+ 1 個以上の限量子
{ 最小/最大の限量子を開始する
} 最小/最大の限量子を終了する
文字クラス
^ クラスを否定する(^ が最初の文字である場合のみ)
- 文字の範囲を示す
\N(N=1-9) N番目のサブパターンを示す
汎用文字
\d 10進数字
\D 10進数字ではない文字
\s 空白文字
\S 空白文字ではない文字
\w 「単語」となる文字
\W 「単語」とならない文字
\b 単語境界
\B 単語境界ではない
\A 対象の先頭
\Z 対象の末尾または最後の改行文字
\z 対象の末尾
Reg-Ren独自の仕様
置換文字列に '\'を記述すると、連番の指定になります。
'\'の個数が連番の桁数になります。
'\'の個数が数字の桁数より小さい場合は、数字の桁数が優先されます。
ただし、'\'の直後に数字がある場合はサブパターンと見なします。
例)
サブパターン1が"abc"、連番のインデックスが3である時、
「\\\\1」と記述すると結果は「003abc」になります。
「\\\\\123」と記述すると結果は「0003abc23」になります。
同様に、'\'の直後に'd'を記述すると、日付を表わす数字列になります。
例えば、ファイルの日付が「2002/01/02」であれば、"\d"が"20020102"に
変換されます。
また、"\D"は日付と時間を表わす文字列に変換されますが、こちらはあまり使い途はないでしょう。
"\f"はファイルがあるフォルダ名に変換されます(1.11から)。
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